#38 肩こり・頭痛に対して副神経へのはり治療が効果的です
Dec 08, 2023
1. 副神経とは?
1-1.肩こりと副神経の関係
1-2. 肩こりの原因と副神経の役割
1-3. 副神経が担う体のバランスとは
1-4. 肩こりからくる頭痛や難聴
2. 鍼治療とは何か
2-1. 鍼治療の基本について
2-2. 通常の治療と鍼治療の違い
2-3. 鍼治療の安全性について
3. 副神経に対するはり治療の仕組み(超音波エコー下はり治療)
3-1. 超音波エコーにて神経を確認する
3-2. アプローチポイント① 胸鎖乳突筋
3-3. アプローチポイント②僧帽筋・肩甲挙筋の間
4. 当院独自のはり治療⭐️超音波エコー下はりパルス療法⭐️について
4-1. 超音波エコー下はりパルス療法の効果について
4-2. 超音波エコー下はりパルス療法のやり方について
4-3. 従来のはり治療と超音波エコー下はりパルス療法の違い
首や肩の痛み、頭痛の際の治療ポイントについて
首や肩こり・頭痛でお困りの方へ、副神経という神経にアプローチすると改善することがあります。特に、はり治療が効果が期待できます。副神経についてアプローチする方法を書きたいと思います。
1. 副神経とは?
副神経は、肩をすくめる際に動く僧帽筋(そうぼうきん)や、首の側方にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という筋肉を支配している神経です。一般的に肩揉みをして気持ちいい場所です。
副神経(ふくしんけい、Accessory nerve)は12対ある脳神経の一つで、第11脳神経とも呼ばれます。同側の胸鎖乳突筋と僧帽筋、および喉頭の筋を支配する運動神経です。
1.1.肩こりと副神経の関係
肩こりは多くの人々が経験する症状の一つですが、その原因の一端には副神経の機能も関係しています。副神経は首の筋肉や関節を制御するとともに、首や肩周りのバランスを整える重要な役割を担っているのです。この記事では、副神経と肩こりの関係、副神経の体における役割、そして肩こりを招く生活習慣について深く掘り下げていきます。
1.2.肩こりの原因と副神経の役割
肩こりにはさまざまな原因がありますが、副神経がその一つです。副神経は首や肩の筋肉と深い関係を持ち、この神経の調節機能が乱れることで筋肉に異常な緊張が生まれ、肩こりへと繋がるのです。例えば、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで、首に負担がかかると副神経の機能に影響が出ることがあります。また、ストレスや疲れ、寒さなども副神経に影響を与え、結果、肩こりを引き起こす原因となり得ます。重要なのは、副神経の正常な機能を保つことで、肩こりを予防、または軽減できる可能性があるという点です。
1.3.副神経が担う体のバランスとは
副神経は、体のバランスを保つために不可欠な機能を持っています。その主な役割としては、首周りの筋肉の調節を行い、身体の姿勢を正しく保つことです。副神経が適切に機能していないと、本来均等に分散されるべき体の負荷が片側に集中し、筋肉に過剰な緊張が生じてしまいます。これが慢性的に続くことにより、肩こりだけでなく、頭痛や手のしびれなどの症状を引き起こす危険性があります。従って、日々の生活習慣を見直すことで副神経の機能をサポートし、体のバランスを健全に保つことが求められます。
1.4.肩こりからくる頭痛や難聴
肩こりは首まわりの筋肉が緊張しすぎるのが原因の一つです。首の筋肉の周囲には沢山の神経があり、筋肉が緊張することによりそれら神経にストレスがかかると、頭痛や難聴などのトラブルを誘発することも考えられます。実際に、肩こりのはり治療をすることで、頭痛や難聴が改善するケースもあります。
2. 鍼治療とは何か
鍼治療は中国で生まれた伝統的な医療行為です。人間の体に無数に存在するつぼに鍼を用いて刺激を与え、体内のエネルギーと血液の流れを整えるという目的があります。一般的には、肩こりや腰痛、神経痛といった慢性的な痛みを抑えるために用いられますが、近年ではさまざまな疾患の予防または治療の一部として、また健康増進や美容目的のためにも用いられるようになりました。</p>
2.1. 鍼治療の基本について
鍼治療の基本的な考え方は、人間の体が自己治癒力を持っているという考え方に基づいています。人間の体には無数のツボが存在しており、そのツボを刺激することで、血行が良くなり、自然治癒力が高まるとされています。そのため、鍼をツボに刺す行為自体が治療行為として行われます。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、ツボの位置と鍼の刺す角度、深さなどを正確に把握し、適切に操作することが必要となります。そして、そのすべてが患者の体調や症状によって異なるため、その見極めが鍼治療の中心となるのです。
2.2. 通常の治療と鍼治療の違い
通常の治療と鍼治療の大きな違いは、その治療方法と治療の目的にあります。通常の西洋医学の治療は、主に薬物や手術による病態の除去や症状の緩和を目指します。一方、鍼治療は体内のエネルギーの流れや血行を改善させ、身体自体が持つ自然治癒力に着目します。また、鍼治療は身体の各部位を刺激して全体のバランスを整えるという独特のアプローチがあります。それが、鍼治療が慢性的な疾患や病後の回復、さらには予防医学としても用いられる理由でしょう。
2.3. 鍼治療の安全性について
鍼治療は自己治癒力を活用する治療法のため、副作用が少ないとされています。ただし、鍼を体に刺すため、衛生状態や施術者の技術によっては感染症を引き起こす可能性があります。そのため、鍼治療を受ける際には、衛生管理が徹底された施設で施術を受けること、鍼灸師の資格を持つ専門家による施術を選ぶことが重要です。また、身体の状態や持病などによっては、鍼治療が適切でない場合もあります。そのような場合は、鍼灸師に十分に相談し、指導を受けることが求められます。
3.副神経に対するはり治療の仕組み(超音波エコー下はり治療)
副神経というのは、肩こりの原因となる胸鎖乳突筋や僧帽筋という筋肉を支配しています。当院では、筋肉ではなく、神経周囲の固くなった筋膜など結合組織と呼ばれる部位にアプローチします。神経に直接刺すわけではありません。神経周囲の筋膜や脂肪などにアプローチします。
3.1. 超音波エコーにて神経を確認する
超音波エコー(妊娠中に赤ちゃん診る機械)でターゲットを目で確認しながら鍼を刺入します。
以下写真クリックで、副神経のエコー動画が見れます。
3.2. アプローチポイント① 胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は、①胸骨頭と②鎖骨頭があります。副神経は、この胸骨頭と鎖骨頭の間を走行する場合が多く、ここで圧迫されることが予想されます。
3.3.アプローチポイント②僧帽筋・肩甲挙筋の間
胸鎖乳突筋の間から出てきた副神経は、僧帽筋と肩甲挙筋の間に入っていきます。
4. 当院独自のはり治療⭐️超音波エコー下はりパルス療法⭐️について
超音波エコーを活用した鍼治療は、ターゲットとなる筋肉や神経の場所を目で確認しながら、その場で的確な位置への鍼の刺入を可能にします。これにより、従来の鍼治療の中でも解明されていなかった課題を解決し、より科学的な視点から鍼治療にアプローチすることが可能となります。ここ数年で進化した技術で、当院の場合従来の鍼治療に比べ、効果はかなり出るようになりました。しかし、解剖学の知識やエコーを見る研修が必要になりますので、全国でも行われている施設はまだ限定されます。
4.1. 超音波エコー下はりパルス療法の効果について
超音波エコー下神経根はりパルス療法をするようになって、痛みやしびれが改善するケースは劇的に増えました。他院でマッサージなどして一時的にはよくなるけど効果が長続きしない方でも、痛み・しびれ・違和感が劇的に減って、効果が長持ちする、症状が全くでなくなったと喜んでいただいてます。 はり治療により、筋肉の血流と酸素の量を改善し、筋肉をリラックスさせる効果が期待できます。それと並行して、痛みや炎症に関連する生化学物質の濃度を調節し、痛みを軽減する効果が期待されています。 まず問診や身体所見を参考に異常である神経を推測します。その上で、エコーで実際に骨や筋肉を見ながらターゲットに鍼を刺入するので、確実性が増します。
4.2. 超音波エコー下はりパルス療法のやり方について
超音波エコー(妊娠中に赤ちゃん診る機械)でターゲットを目で確認しながら鍼を刺入します。神経に直接刺すわけではありません。神経周囲の筋膜や脂肪などにアプローチします。
4.3. 従来のはり治療と超音波エコー下はりパルス療法の違い
従来のはり治療は、治療のターゲットとなるツボや経絡、または筋肉や神経を、体の表面から探し刺入していました。体の表面からは、実際にはり先がどこに届いているかはわかりません。超音波エコーで観察すると、体の内面の筋肉や神経まで目で確認できます。そのためにターゲットに正確に刺入でき、効果が上がります。鍼の角度が1度違うだけでもターゲットには届きませんので、技術が必要です。
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